鼠経(そけい)ヘルニアの発症から症状と治療までのまとめ

オヤジの健康

鼠経ヘルニアとは?

足の付け根部分である「鼠径部」の筋肉の下にある「筋膜」という膜が弱くなり、そこから何かがポコッと出てくるような状態になる病気で、ほとんどの場合、腸や脂肪などが出っ張っているような状態であり、腸が脱出すると書いて「脱腸」とも呼ばれています。

症状の経緯

ヘルニア

私の場合、右足の付け根と男性器の間の下腹部が膨れてきた事に気が付いたのが最初です。

最初は膨れてる部分も少しで痛みも無く、横になっている時は元に戻っているので大して気にもしていませんでした。

しかし数ヶ月が経つと膨れる部分が次第に大きくなりその時にやっと「あれ?何だかおかしいな」と思うようになりました。

症状は立っている状態で最も顕著に表れ、寝ている時は全く症状が出ません。

また重い物を持ったり、排便時などの下腹部に力を入れると症状が大きく出ます。

ちょっと心配になった私はネットで症状を検索してみるとこれはヘルニアかも知れないと分かりました。

病院の受診

かかりつけ医を受診するとやはり鼠経ヘルニアのようだと診断され手術が出来る病院を紹介されました。

紹介された大きな病院を受診すると鼠経ヘルニアであると診断され外科的な手術で治りますと言われました。

手術には4日程の入院が必要だそうです。

暫く放置しても問題無さそうな気もしましたが、後々痛くなって緊急入院になっても困りますので手術をお願いする事にしました。

しかしすぐに入院して手術という訳にはいかずこちらの都合も考え約2ヶ月先に入院する事にしました。

入院するまでの間に自分でしておく事(ヘルニアベルト)

ヘルニア帯(ベルト)

そのころ私の場合以前よりも鼠径部の膨らむ量が段々大きくなってきて、手で押さえ込む回数が多くなってきていました。

これでは仕事にも私生活にも影響が出てきます。

押さえ込めばいい訳ですから何かを当てて絶えず押さえる状態にしておけばいいと考え、

最初はタオルを丸めたものをズボン用のベルトで鼠径部に固定してみました。

これは確かに機能は果たせますが、動くとズレてしまい実用的ではありませんでした。

そこでネットで検索してみるとヘルニアベルトなるものが沢山あることが分かりました。

結構な需要があると言う事なんですね。

形状も値段も様々なものがありどれがいいのか分かりません。

適当に選んだものはTenbonという中国のメーカー?の「鼠経ヘルニア帯」というものです。

理由は何となく柔らかそうで着用してても違和感が無さそうだったからです。

確か5000円位だったと思います。

着用してみるとこれは自作ものよりは優れています。

なにしろ動いてもズレにくいのがいいですね。

難点と言えば椅子に座っている時はちょっと窮屈に感じました。

あとは排尿時にちょっとパッドが邪魔に思います。

マジックテープ部の付きが段々悪くなって来ましたが入院するまでは何とか持ちこたえました。

入院そして手術

入院する日がついにやって来ました。

私が入院する病院はこの地方ではかなり大きな病院で、まだ稼働してから半年ほどしか経っていない病院です。

手術は翌日で入院初日は検温以外特に何もする事はありませんでした。

食事も特に制限のないものが出ました。

当日は当然朝食は無しでした。

午前中に剃毛がありましたが、女性看護師ではなく若い男性看護師によって行われました。

処理された後を見るとそんなに丁寧にされてもおらず、しかも手術する側の右側だけバリカンで刈られるという何ともカッコ悪い剃毛となりました。

へそにオリーブオイルを垂らされ綿棒で中の方まで掃除もされました。

シャワーを浴びて待機しているといよいよ手術の時間となりました。

下半身麻酔(脊椎麻酔)は激痛の記憶が・・・

今回の手術は下半身麻酔でやりますと先生から事前に聞いていました。

腹腔鏡手術ではなく右の下腹を斜めに切開(交叉切開)する開腹手術はこの麻酔で行われる様です。

この麻酔、実は高校生の時に盲腸の手術で経験していました。

看護師さん達に海老の様に体を曲げ押さえられ「痛くても我慢してね!」と言われながら背骨に麻酔の注射をされます。

これがまた激痛で今までにあれを越える痛みに会った事がありません。

またあれをされるのかとビビッていると、「麻酔打ちますね~ ちょっとチクッとしますよ~」と言われ打ち始めると

「あれ?これはまだのやつかな?」確かにチクッとはするけど全然大したことない痛さ。

そのあと数本注射された様ですがどれも大した痛さではありません。

既に麻酔が効いており下半身の感覚は無くなっています。尿道に管を通されても何も感じません。

医療の進歩は素晴らしいですね。感動しました。

両手をしっかり固定されそして手術が始まりました。

当然意識はハッキリしているので先生達の会話や手術室の様子はよく分かります。

手術室内には軽快な音楽が流れ手の空いた助手の方達の雑談も聞こえます。

血栓を防止する為なのか脚が機械により常にマッサージされています。

手術の内容は破れている筋膜を縫合するというものではなく、メッシュの膜で破れている箇所を塞ぐという感じでしょうか。

主治医の説明ではそんなだったと思います。

あとはお任せするだけです。

最初は天井を眺めていましたが、手術を固定カメラで撮っている様なので少し視線をずらしてみるとモニターを見つけました。

自分のお腹が切り開かれているのを見るのはどうかなと思いましたが、見てみるとそんなに怖いものでもなく、

何だかメッシュの様な物を詰めてるな~とか、縫合が始まったからあとちょっとで終わるな~などと思いながら見てました。

先生から「終わりましたよ」と言われ手術は無事に終わりました。

手術室へ入ってから2時間弱位でしょうか。

ベッドに載せられ部屋へと戻りました。

術後は痛みとの闘い

手術は夕方に終わりましたが当然晩ごはんが出るはずもなく点滴で明朝まで過ごさなければなりません。

手術した箇所には大きな透明のフィルムの様な物が貼られています。

麻酔がまだ切れておらず下半身の感覚はありません。

次第に下半身の感覚が戻り始めるとこれがなかなか辛い事が分かって来ました

まず寝返りが打てない。腰が痛くなって来ます。

当然ながら手術した周辺はちょっと動くだけでもかなり痛みが走ります。

人生初体験の尿道カテーテルと言う男性器に挿入されている管もかなりの違和感を覚えます。

おまけに頭痛までして来ました。

結局一晩中殆ど眠れず翌朝を迎えました。

翌日~退院

実は明け方にあまりに寝ているのが辛くてベッドから降りて立ってみました。

まだ歩くのは困難ですがとりあえず立ち上がる事は出来たのでこれは回復の一歩と感じ嬉しく思いました。

朝になり看護師さんが来て点滴やら心電図やらを外してくれました。

ここで思いがけない痛さに遭遇しました。

尿道カテーテルを抜く時です。

「抜きますね~」と看護師さんが言ったその後に起こった激痛。

挿入する時は麻酔が効いていたので分かりませんでしたが、抜く時にこれほど痛いとは。

しかもその後3日程排尿時に痛みを感じる事になってしまいました。

これは意外でした。

その日から朝食も普通のものが出て、特にする事も無く外の景色を眺めたり(眺望が素晴らしい部屋でした)テレビを観たりして1日を過ごしました。

何とその日からもうシャワーを浴びれるのです。

その日の晩はよく眠れました。

翌日には退院となり4日間お世話になった病室を後にしました。

費用は個室使用で約12万円掛かりました。

退院してから1週間後にもう1度診察があり先生に「大丈夫ですね。もし何かあったらまた来てください」と言われ

とりあえず病院へ行くのは終了となりました。

抜糸はどうなったと思われる方がいるかも知れませんが、私の場合抜糸はありませんでした。

ホントに医療の進歩は素晴らしいなと感じた今回の入院でした。

その後

退院して2週間位は動きによっては痛みが走る事がよくありました。

先生から1ヶ月位は重たい物を持たない様にと言われていて、会社も気遣ってくれ暫くは重い物を持たなくていい様にしてくれました。

手術から1ヶ月以上経った現在は今まで通りの生活を送っています。

仕事も普通にこなしています。

結果として手術を受けて良かったなと思う今日この頃です。

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