前職の経験が生かせる職場
私の仕事はライン作業ではなく、雑務といった方が適切でしょう。
フォークリフトにも乗れば、パソコン作業もあるし、生産ラインへの部品供給、出荷、設備のメンテナンスなど多岐に渡ります。
幸いな事に、これらの仕事は以前勤めていた会社で殆ど経験して来た事でした。
転職する時に、前職の経験が生かせる。というのは大事です。
若い人はさほど問題無いですが、歳を取っているほどこの条件は重要になります。
勿論やる気さえあればどんな仕事でも出来なくはないでしょう。
ただし、若い時の何倍も努力する覚悟は必要です。
50歳代後半の人間は、思ってる程新しい事が出来ない様な気がします。
これは私だけの事かも知れませんが。
前職の経験が生かせる職場に就職出来た私はラッキーなのかも。
ちょっと考えたら分かるだろう!!
前職の経験を生かせる事はいいんですが、何せ初めての転職先です。
部品番号から設備やら何もかもが初めて見るものばかりです。
どのラインにどの部品を使うか、どこに部品が置いてあるのか、まだまだサッパリ分かりません。
一生懸命覚えようとメモしたりしてますが、若い時の様には出来ませんね。
教えてもらった事も数時間も経たない内に忘れてしまいます。
「あれ?この部品どこだったかな?」「こっちの方だった気がする」
部品を載せた台車でキョロキョロ探していると、後方から怒鳴り声が。
「それはこっちだ! ちょっと考えたらわかるだろう!!」
社長でした。私がモタモタしているのが気に障った様です。
そんな風に言われると思ってもみなかったので、ちょっとビックリしました。
「まだ一週間も経ってませんよ。そんなに早く覚えられますかね?」
そう言い返したい気持ちをグッと飲み込んで、「すいません。」と答えます。
社長はすぐにカッとなるタイプですね。私の父親もそんな感じです。
そういう人には言い訳をしないのが適切な対応に思います。
その時は人の気持ちを考えられない状態になっている感じがするからです。
社長が怒鳴ったのは、私がまだ覚えていない事が悲しかったのかも知れません。
甘えるつもりはありませんけど、まだ一週間足らずですよ。
新人と呼んで差し支えないと思うんです。
何年も同じ所で仕事をすると、どこに何があるのか当然知ってます。
知ってるのが当たり前になってるんですね。
新人は知らないのが普通です。
個人差はあるでしょうけど、ある程度月日を経過しないと知ってるのが当たり前にはなれないと思うんです。
ベテランの人が新人に教える時は、
「この人はまだ何も知らない人なんだ。自分と同じ様に出来る筈がない」
と思うだけで接し方が随分違う様になるし、教え方も丁寧になると思うんです。
「こんな当たり前の事は出来て当然。出来なきゃおかしい」
社長はそんな風に思っていたのかも知れません。
私への怒号は、一日でも早く一人前になって欲しい故の愛のムチですかね。
私が学校を卒業して初めて仕事した頃は、そんな感じの人がいっぱい居た様な気がします。
あれは遥か昔、古き良き昭和の時代でした。
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